体調が変だな〜と感じながらも、24時間も寝ていたおかげか、少しは復活したようだ。
それよりも、同じホテル内にカジノがあるってだけで、落ち着いて寝ていられなかった(笑)。
早速起きて向かった先は、ブラックジャックのテーブル。
日本でディーラーをやっていた友達がいたので、勝つ為のアドバイスを受けていた。
俺が聞いたのは、どのギャンブルが一番勝ちやすいのか? |
その友達はこういった。
「ブラックジャックなら、そんなに負けないと思うよ」
どうやら、ペイアウトは100%らしい。
普通にやっていれば、かなり運が偏らない限り負けないってことだ。
やりようによっては、勝つ方法もあるらしい。
出てきた「10、J、Q、K」のカードを全て数えていき、これらのカードが出る確率を計算していく。
そういったことをすれば、勝率はアップするようだ。
確かに理論上はそうだと思う。
ほかにも一つ教わった。
1.まずは、ブラックジャックでその日賭けたい金額を賭ける
■負けの場合
負けた額の2倍の額を賭ける
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■勝った場合
勝ち金を持って帰る |
この繰り返しだ。
例えば、1日に1000円を儲けたいとする。
その場合、1000円を賭ける。
もし負けたら次に2000円を賭ける。
また負けたら次に4000円を賭ける。
また負けたら次に8000円を賭ける。 |
これだけだ。
ただ、最初に賭けた金額分しか儲からない。
軍資金が途中で切れたらアウトな戦略なので、そこらへんも上手く考えて賭けていかなければならない。
途中でツッパれなくなったらそこで終わりだからだ。
いつか当たる1/2まで、ずっとやりつづける。
ほかにも色々と勝ち方はあるようだけど、
あんまり場慣れしていないので、こすい手を使うのはやめようと思った。
その場その場の判断で凌いでやる。
俺だって日本のパチプロとして、そこそこの実力はあるハズだ。 |
俺は、とりあえずチップを交換しテーブルに座った。
賭け金を置くと、無言でディーラーがカードを配ってくる。
親のカードを見ながら出方を考える。
俺がとった基本的な戦法はこうだ。
親の数字が悪い時に、こちらにAが来た場合はダブルダウン。
ダブルと発音する時は「ダボー」と言う。
Aがダブルで来た時はスプリット。
スプリットの時は「プ」の発音でツバが飛ばないように気をつける。
そんなところだ。
なんか勝てそうだな〜とか思ったときは、ガンガン行くし、
ヤバそうだな〜と思ったときは様子を見る。
ただそれだけだ。
そんな単純なことをしていたんだけど、なぜか異常にハマった。
バニーガールが運んでくる無料のカクテルに見向きもせず、ただ黙々とカードとにらめっこをしていた。
酒を飲むと思考と感性が鈍り、勝てなくなると思ったからだ。
それだけで、気づけば15時間もやっていた。(笑) |
ほかのゲームもちょこちょこっとやったのだが、ブラックジャックの面白さには勝てない。
単純なんだけど、それゆえに深みがある。
たった一枚のカードにこめる想い。
大きくは勝てないけど、大きくは負けない。
流れ、といった感覚的なものに全てをまかせ、勝負をする。
これが凄く面白かった。
俺が取った戦法は、日本のパチスロを打つ時とは全く違う、そんな素人同然のものだったハズだ。
ただ、やっていくうちにだんだんとコツも掴めてきて、攻め時と引き際がなんとなくわかるようになってきた。
できる限り理論で勝ちたいと思ったけど、ここは相手の土俵だ。
むこうからみれば俺はただの素人。
余計なことはしなかった。
そんなこんなで長い勝負が終わり、とりあえずご飯を食べた。
時間は朝の11時。
体調が悪かったくせに、徹夜でやってしまった…。
それでも脳が冴えきっているのか、まったく眠たくはなかった。 |
そして、スクランブルエッグとベーコンを頬張りながら一息ついた時、頭に浮かんできたことがあった。
それは、日本にいる彼女のことだ。
やっぱり、心配だ。
気になりだしたら、どうにもこうにもならなくなり、日本にいる友達に連絡を入れてみた。
すると、彼女から友達に連絡があったらしく、
「寝ずに看病をしているみたいだよ。」
とのこと。
本当に危篤のようだ。
相手の母親も心配だったが、俺は彼女の体の方が心配だった。
元から昼も夜も働いてる身で、さらに寝ずの看病だったら体も応える事だろう。
そんなことを思いながら軽い睡眠を取り、ボーっとしていた時のことだ。
携帯電話が鳴った。 |
日本にいる友達S氏からの電話だった。
この時点で大体の予想はついたけど、内容を聞いた。
俺は信じたくなかった。
彼女の母親が亡くなったらしい。
俺は、その言葉を聞いた時、言葉を失った。
ホテルの一室で、身動きが取れなくなった。
せっかく遊びにきてるわけだから、落ち込んでたって意味がないのもわかってる。
それでも、半日ぐらいは布団に入っていた。
涙も止まらなかった。
相手の母親とは面識がなかったのだが、その出来事に大して彼女がどんな想いでいるか?
ということを考えると、どうにもこうにも我慢できなかった。 |
それからというもの、まるで何かから逃げるようにカジノに入り浸った。
かなり長くやっていたのは覚えていたんだけど、気づけば36時間もぶっつづけでやっていたんだ。
もちろん、そんな不安定な精神状態でやるギャンブルは、危ないことだって知ってる。
打ち方が荒くなることだってわかってる。
冷静でいられないと勝てないことだって、日本のパチスロで学んでいる。
どんなときだって冷静じゃなきゃいけない。
でも無理だった。
そして、終わってチップを数えてみた時、残った金額は意外なものだった。
続く… |