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パチンコ・パチスロ特集:『ポカリの攻略研究室』

 パチスロに人生を預ける (第37章)

「もうこの攻略法も末期だな」


そうみんなで話していた。

もう終わるのかな?

俺はそう思っていたが、ここで終わるわけではなかった。
全員で話した結果、ここからは戦略を一変させることにしたんだ。


「バレないようにこそこそ抜く」
というスタンスを、


「バレてでもガッツリ抜く」
という戦法に切り替えた。

この方法は、攻略法が本当に末期であることを示す。


もちろん、行く店では「出入禁止」覚悟だ。
だから地元ではやらない
地方遠征がメイン。


こうなってくると多人数の方が強いので、いつものメンバーでまだ使えそうな店を選び、イナゴのように店を襲う。
もちろん朝から打ってるのは全員身内一機種全台を埋め尽くす事だってあった。




また、当時あった張り紙はこんなものだった。

「レバーにゆっくり触れてのご遊戯はご遠慮ください」
「攻略法を発見した場合、警察に通報します」


などなど。


だが俺らは、もちろんそんなの関係なし
そしてみんなで打っていると、店の人間が話しかけてきた。

店員「あの〜〜、レバーをゆっくり下げてのご遊戯は遠慮していただきたいのですが?」

身内「え? じゃーレバー叩くなってこと? あほちゃうか。」
店員「ですが、規則ですので…」

身内「こっちは金払って打ってんだよ! どうこう言われる筋合いないだろうが」
店員「…」

こんな感じで店員が引き下がっていく。



だが、重役クラスが出てくると一味違う。
パチンコ屋の上に居る人間なんて、ヤクザみたいなものだ。 いや、実際ヤクザもいるだろう。


そして実戦してから3時間ほどした時、しびれを切らしたのか? とうとう出てきたんだ。

白服が3人ぐらい…しかも、今までの平店員とは違って貫禄がある。いかにも絡みたくないような人たちだ。
美容院ではなく、床屋にいってパーマをかけてそうな髪型。


そんな人たちが、空き台から次々と無言で電源を落としていく
端から1台1台電源を落としながら、身内の台に迫ってきた…


きたらめんどくさいなー、と思いながら実戦を続ける…。


そして身内の台に差し掛かった。


白服「あのーご遊技やめていただいてもよろしいですか?」
身内「なんで? 23:00まで営業してるんだろ?」

白服「えー、機械調整の為、電源を落とさせていただきます。」

身内「あほか、いま出てるんじゃ。
    出たらやめてくださいっていわれて、はいそうですか、ってヤメる奴がいるか?」


白服「じゃー電源落とさせて頂きます」
(もうこちら側が言ってることは無視。強引に台を空けようとする)
身内「てめー、客なめてんのかおらーーー」
(片膝で台の鍵穴を抑えながら)

身内「筋ってもんがあるよな? 出てるからいきなりヤメてくださいじゃあ、おかしいやろ、
    調整があるので何時までの営業にさせて頂きます、とか言えんのか」


白服「攻略法を使ってますよね?」

身内「ゆっくり打ってることがいかんのか? じゃーその攻略法、やってみろや」


こんな感じのやり取りが、1時間ほど続く…。
だが、こちらの3人が店員ともめてる間にも、ほかの10人近くはしっかりと抜いている

明らかにホール側の方が分は悪い。

結局、1時間近い話し合いをした上、白服が分が悪いと思ったのか、
あと3時間後に閉店しますマイク放送をしていた。



その条件にはこちらも納得した。 お互いに「譲歩」という状況なら俺達だってうなづく。
ただ一方的に、さもあたりまえのように遊技を止められることが気に食わない。


向こうが引けない理由はわかる。
だからって、こっちが引く理由もない。



お互いに、同じ土俵の上で勝負をしているんだ。

ミスがあれば容赦なく突く。

それはゲームだって、ギャンブルだって…勝負事ならなんだって同じ。


決まっている営業時間と、決まっているルールの中で最大限の努力をして勝つ。
自分で勝機を見つけた者や、人よりも早く情報を得たものがどの業界でも勝者なんだ。
リプレイハズシだって、小役狙いだってそう。


立派な攻略法。
ルールなんてものはない。


ただ、攻略法において、ホールが一番の被害者であることも忘れてはいけない。
悪いのは、攻略ができる機種を作ってしまったメーカーにある。


だから、そういう場合は大抵ホール側がメーカーに保障を求める。
それでもホールは、利益を守るために攻略グループと戦う
金銭うんぬんと言う事より、プライドの問題なのであろう。


そしてこの日は、朝の10:00〜18:00ぐらいまでの実戦となった。

こんな感じの方法で、3日ぐらい動き続けたのだが、主に動いたホールは、埼玉県が中心。
もちろん、稼動した地域で揉めるのはあたりまえで、時には警察が来た事だってあった。


また、プロ同士で揉めたこともあった。
これは、ある一定のルールを相手が破った時に起こる。

・最初にこちら側がシマに入っているのに、何の挨拶も無しに後から来て攻略法を実戦する。
・こちら側の手順を真似して打ち出す


主にこの2つだった。


もちろん、こんなことをされたときには
「ほかの店でやってくれ」とか「どこの組織で動いてんの?」とかをまず聞くことにしていた。

「知り合いの知り合い」と言うこともあるので、いきなり敵視してしまうと誤解を招く

また、大抵こんなもので動いている連中はどこかで繋がっていて、そのほとんどが知り合いだった。
揉める相手がいたときは、大体が素人だったんだ。



そして攻略法が発覚して一週間が経った。
騒動も落ち着き始め、今回の攻略法の余韻に浸りながら、俺達は普段の生活へと戻っていった。

実際、その後はコピー対策部品を取り付けられたりして、全く稼げなかったらしい。
メーカーの対策は迅速だった。


だが俺は、もしまたコピーができたらいいな、と言う軽い期待を込めて、一路青森へと向かった。
旅打ちが好きだったのもある。


まだ攻略法ができるとこがあるんではないか?
 という淡い期待を持っていたのもある。


そして、片道8時間ほどかけて青森に到着。
宿よりも先ず先に入ったのがパチンコ屋だった。


さびれた店の奥の方に『獣●』が置かれていた。

なぜか張り紙もしていない。

もしかして、まだできるのか?


ワクワクした気持ちを抑えながら、いつものようにコインサンドへと薄汚れたお札を入れる。
ガラガラの店内で、軽く店員の位置を気にしながらゆっくりとレバーを下げる




だが、再び同じ役が揃う事はなかった…。


   
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