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負けが連日続き、財布の中に住む妖精さん(眼鏡っ娘)が「もう、パチもスロも打っちゃダメよ、めっ!!」と叱ってきました。
もし、この妖精さんがツンデレだったら、この言葉の後に「べ、べつにあなたのことを心配して言ってるんじゃないんだからねっ!!」と付け加わるのですが、残念ながら私の妖精さんはエッチなことに興味がある学級委員長タイプなので、そういう展開にはなりませんでした。
テキトーに選んでテキトーに打つ、という怠惰な立ち回りをしているわけではなく、世が世ならホールの店員さんに
「あなたの立ち回りかたはプロですね、いやプロという概念を遥かに超越した存在ですね、もしや、あなたはパチ神じゃありませんか!?申し訳ありませんが当店では……」
と言われ、ホールから追い出されていたのですが、ここ最近、パチスロ5号機時代になってからというもの上手いこといきません。また、これに呼応するかのようにパチの調子も芳しくありません。以前と比べると、トランプの大貧民(大富豪)の革命後の「2」のような没落ぶりです。
ということで、調子が悪く、パチ&スロに対する興味が薄れつつあり、かつ妖精さんにも叱られたということで、
パチ&スロをしばらく休養することにしました。
しかしながら、いざパチ&スロを打たないとなると、今まで遊技していた時間を何に費やしてよいかわからないものです。
無い知恵を絞って、PCの画面から美少女が出てきてラブラブチュッチュなロマンスな展開になる、
という壮大な暇つぶし方法を思いついたのですが、2〜3日待っても出てくる気配がなかったので、さすが飽きて止めました。
確率的に考えると、そろそろ私の身にもこういうことが起きてよいはずなのにおかしいものです。
次に、金がかからない暇つぶしの代表格、ウォーキングという名の街中を無意味にブラつく、という行為をすることにしました。
私が威風堂々と風を切って街中をブラついていると、工事中のビルディングが目に飛び込んできました。
常人ならそれを見ても何も感じないのですが、パチ&スロ界の百目の辰と異名を持つ洞察力の高い私は違いました。
「あれ、そういえばこのビルができる前には何が建っていたっけ?」
そう疑問に感じることができたのです。
気になったままじゃ寝不足になり、変なテンション状態に突入し性犯罪とかを犯しかねませんので、足を止め記憶を辿ることにしました。しばらく、記憶のアルバム(黒い色だと激アツ)をペラペラとめくり続けたのですが、残念ながら思い出すことができませんでした。
ほぼ毎日通っている道、ほぼ毎日見ている風景、にもかかわらず、なぜ、私はそれを思い出すことができなかったのでしょうか。
そういえば、以前にも似たような経験をした気がします。
いつだったか忘れましたが、女人の髪型の変化に気づかず「毎日見ているのに何で気づかないの?馬鹿じゃないの?」そう罵倒された気がします。そして、「胸のサイズに興味はあるが、髪型には興味がないんだからしかたがないだろ」そう言い返した気がします。その後、ぶん殴られた気がします。
ああなるほど、そうかそうなんですね。
「ドラえもん」という近未来漫画に「石ころぼうし」という秘密道具があります。
この帽子を被ると、1個から2個に増えても気づかれない道端に落ちている「石ころ」のような、誰からも興味の対象とされないどうでもいい存在になることができ「見えているけど見えていない」という状態になります。つまり、擬似透明人間になれる、という道具です。
私にとって、その工事中のビルディング以前にあった建物というのは、そんな「石ころ」同然だったのです。
興味がないから、見えていても見えていなかったのです。だから、いくら思い出そうとしても、その答えにたどり着かなかったのです。
さて、私たちは多くのモノと情報に溢れている世界に住んでいます。ですが、その多くは「石ころ」のように、見えているけど見えていません。
例えば、パチ&スロに興味を持つ前に、こんなにも多くホールがあるということに気づいていましたか。パチ&スロに興味を持つ前に、こんなにも多く情報誌が発売されているということに気づいていましたか。
そんな「石ころだらけの荒野」を少しでも開拓し世界を広げていきたい、私はそう考えます。だって、見えているのに見えていないって損している気分じゃないですか。
「石ころ」をモノとして認識するために必要なのは「興味」です。
なので、まず最初に失いつつあったパチ&スロへの興味を奮い立たせ、ホールへ足を向けました。これは、突然打ちたくて打ちたくてしょうがないという気持ちになる禁断症状があらわれたわけではありません、全ては「石ころ」を無くすための努力です。
もちろん、財布の妖精さんが「ダメ、ダメってばぁ〜〜」と、袖を引っ張りながら止めてきましたが、それを振り払いホールへ突入しました。
すると、パチスロ「キン肉マン」の前に、淫らな格好をした妖精さんがフワフワと浮いていて「今日は溜まっていたモノをいっぱい出して、あ・げ・る♪」と私を誘ってくるではありませんか。
据え膳食わぬは何とやら、私はその妖精さんに誘われるがまま遊技を開始。その結果は……聞かないでください。
その後、財布の妖精さんにこっぴどく叱られたことは言うまでもありません。やっぱり、淫らな格好をして誘ってくる人についていってはいけませんね。
以上、石ころと同時にお金も減らした、青木原ジュカインでした。
えっ、さっきから妖精、妖精って何言ってるんだって。なんと、あなたには妖精さんが見えないのですか。
それはきっと、あなたが妖精さんに興味を示さないから、見えていても見えていないだけですよ。 |
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| (青木原 ジュカイン) |
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| ライタープロフィール |
青木原 ジュカイン
青木ヶ原樹海に生息しているといわれる知的生命体。樹海に不法投棄されていたパチ&スロ筐体と共に長年生活してきたので、彼にとってパチ&スロとは「遊び」ではなく「友達」であり「家族」。そのため、台を叩いている人を見ると雪崩式フランケンシュタイナーをぶちかましたくなるという危険な一面もある。ちなみに雪崩式フランケンシュタイナーとはプロレスの技だ。 |
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